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めまいの鍼灸治療~現代医学と東洋医学から考える~

seifudo4159
10月7日
読了時間: 9分

「立ち上がったらクラっとする」、「天井や周囲がぐるぐる回る」、「体がフワフワして、まっすぐ歩きにくい」

ひとことで「めまい」とっても、感じ方や原因はさまざまです。

めまいは、耳の奥にある平衡感覚の器官、脳、血圧、自律神経、視覚、筋肉や関節から入る感覚情報など、様々な要因によって起こります。

また、高血圧、頭痛、眼精疲労、更年期に伴う身体の変化、自律神経の乱れなどと一緒に現れることもあります。

東洋医学でも、めまいだけを単独でみるのではなく、頭痛、目の疲れ耳鳴り、ほてり、冷え、動悸、睡眠、胃腸の状態などを含め、身体全体から原因を考えていきます。


めまいにはいくつかのタイプがあります

一般的には、めまいは感じ方によって大きく分けることができます。

1.回転性めまい

「自分や周囲がグルグル回っている」ように感じるめまいです。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。耳の奥にある「前庭」という平衡感覚をつかさどる部分の異常によって起こることが多く、

・良性発作性頭位めまい症

・前庭神経炎

・メニエール病

などで見られます。

2.不動性・動揺性めまい

「フワフワする」、「船に乗っているような感じ」、「体が揺れているような感じ」などとして感じるめまいです。

耳の病気だけでなく、脳、自律神経、疲労、睡眠不足、ストレス、薬の影響、視覚情報の負担、などが関係することがあります。

3.立ちくらみのようなめまい

立ち上がった時に、「目の前が暗くなる」、「血の気が引く」、「倒れそうになる」と感じるタイプです。起立性低血圧、脱水、貧血、不整脈などによって起こることがあります。


現代医学では、めまいをどのように考えるのでしょうか

私たちが体のバランスを保つためには、

・内耳の前庭・三半規管

・目から入る視覚情報

・筋肉や関節から伝わる体の位置情報

・それらをまとめる脳

が協調して働く必要があります。このどこかに問題が起こったり、それぞれから入る情報に食い違いが生じたりすると、めまいやふらつきを感じることがあります。


高血圧とめまいの関係

高血圧があるからといって、必ずめまいが起こるわけではありません。むしろ慢性的な高血圧そのものは、症状をほとんど出さないことも少なくありません。ただし、血圧が大きく変動した場合や、非常に高い状態になった場合には、

・頭重感

・頭痛

・吐き気

・ふらつき

・めまい

などを感じることがあります。

一方、降圧薬が効きすぎたり、脱水などが重なったりして血圧が下がりすぎても、立ちくらみやめまいが起こります。そのため、めまいがあるときは「血圧が高いから」と決めつけず、実際の血圧値や変動、服薬状況を確認することが大切です。特に、意識の異常などがある場合には、脳血管障害などの可能性もあるため、速やかな医療機関での評価が必要です。


頭痛とめまいの関係

頭痛とめまいが同時に起こることは珍しくありません。特に注目されるのが「前庭性片頭痛」です。これは、片頭痛に関連して、

・回転性めまい

・フワフワした感じ

・身体が揺れる感じ

・光や音への過敏

・吐き気

などが現れるものです。しかし必ずしも、めまいと同時に強い頭痛が起こるとは限りません。


眼精疲労とめまいの関係

目は身体のバランスを保つために非常に重要な役割を持っています。

私たちは、内耳だけでなく「目で見た情報」からも、自分の身体がどの方向に動いているのかを判断しています。そのため、

・パソコン

・スマートフォン

・タブレット

・細かい文字を見る作業

など、近くを長時間見続ける作業で目が疲れると、視覚情報の処理に負担がかかります。その結果、

・目の奥の痛み

・頭痛

・首肩こり

・吐き気

・フワフワ感

・めまい

などが一緒に現れることがあります。また、視力の左右差、メガネやコンタクトレンズが合っていない場合でも、眼精疲労や不安定感につながることがあります。首肩の筋緊張も同時に強くなることが多いため、眼精疲労とめまいは互いに影響しあうことがあります。


更年期とめまいの関係

更年期には女性ホルモンであるエストロゲンが大きく変動し、その後低下していきます。エストロゲンは生殖機能だけでなく、自律神経、血管、体温調節、脳内の神経伝達にも関係しています。そのため更年期には、

・めまい

・ほてり

・発汗

・動悸

・頭痛

・耳鳴り

・不眠

・不安感

・疲労感

などが複数重なって表れることがあります。ただし、更年期の年代に起こっためまいがすべて更年期障害によるものとは限りません。良性発作性頭位めまい症、メニエール病、貧血、血圧異常、心疾患、脳血管障害などとの鑑別が必要です。


自律神経の乱れとめまい

自律神経は、

・心拍

・血圧

・血管の収縮・拡張

・発汗

・消化

・体温調節

など、自分の意志では直接コントロールできない身体機能を調節しています。

睡眠不足、過労、精神的ストレス、生活リズムの乱れなどが続くと、こうした調節が不安定になることがあります。その結果、

・フワフワする

・立っていると不安定

・動悸

・息苦しさ

・発汗

・頭重感

・疲労

・不眠

などが、めまいと一緒に現れることがあります。特に、立位になった時に血圧や心拍の調節がうまくいかない場合には、立ちくらみや指針に近い症状が起こることがあります。

ただし、「検査で大きな異常がないから自律神経」と安易に決めつけるのではなく、耳、脳、心臓、血圧、貧血などの病気を必要に応じて確認することが大切です。


首や肩のこりとめまい

めまいのある方には、首や肩に強い緊張を伴っていることがあります。首には、

・筋肉

・関節

・神経

・身体の位置を脳へ伝える感覚受容器

が多く存在します。そのため、首周囲の筋緊張や感覚情報の乱れが、ふらつきや不安定感に関係する可能性があります。特に、

眼精疲労→首肩の筋緊張→頭痛・頭重感→ふらつきやめまい

というように、いくつかの症状が連鎖している場合もあります。ただし、首こりがあるからといって「めまいの原因は必ず首」とは限りません。


めまいの鍼灸治療(東洋医学はどのように考えているか)

東洋医学では、めまいは「眩暈(げんうん)」などと呼ばれています。東洋医学の特徴は、「めまい」という症状だけをみるのではなく、

・寒熱

・虚実

・気・血・津液

・五臓六腑

・経絡

など体全体を観察することにあります。さらに、

・頭痛

・眼精疲労

・耳鳴り

・ほてり

・冷え

・動悸

・睡眠

・胃腸の状態

・精神的な緊張

など、同時に起こっている症状も重要な判断材料になります。


肝と、めまい・頭痛・目の症状

東洋医学えは「肝」は、気血の流れ、筋、目、情緒などと深い関係があると考えます。そのため、

・めまい

・頭痛

・眼精疲労

・目の充血

・首肩こり

・イライラ

・ほてり

などが同時に見られる場合には、肝の状態を詳しくみます。例えば、気や陽がへ偏った状態では、「肝陽上亢」や「肝火上炎」などを考えることがあります。一方、血や陰が不足して目や筋を十分に養えない場合には、「肝血虚」「肝陰虚」などを検討します。同じ「肝が関係するめまい」でも、身体の状態によって治療の考え方は異なります。


更年期と腎・肝

東洋医学では、加齢や生殖機能の変化と「腎」は深く関係すると考えます。更年期のように年齢とともに身体の動きが変化する時期には、

・腎精

・腎陰

・腎陽

などの不足が背景にあると考えることがあります。特に腎陰が不足すると、身体を冷まし潤す働きが弱くなり、相対的に陽が上方へ偏りやすくなると考えます。そのため、

・めまい

・耳鳴り

・ほてり

・寝汗

・頭痛

・不眠

などが現れることがあります。さらに「肝腎同源」という考え方から、腎陰の不足が肝の陽を十分に抑えられなくなると、肝陽上亢による頭痛やめまいにつながると考えることもあります。



痰湿・痰濁とめまい

東洋医学では、胃腸の働きが低下し、水分代謝がうまくいかなくなると、「痰湿」「痰濁」と呼ばれる状態が生じると考えます。この場合には、

・頭が重い

・フワフワする

・身体が重だるい

・吐き気

・胃もたれ

・食欲低下

・舌の苔が厚い

などを伴うことがあります。東洋医学では、胃腸の状態や水分代謝もめまいを考えるうえで重要な情報とします。


鍼灸・マッサージでは何をみるのか

めまいに施術では、単に「めまいに効くツボ」だけを選ぶのではありません。例えば、

・回転するのか、フワフワするのか

・頭を動かすと悪化するのか

・耳鳴りや難聴があるか

・頭痛を伴うか

・目の疲れが強いか

・首肩が緊張しているか

・血圧はどうか

・動悸があるか

・更年期症状があるか

・睡眠状態

・胃腸の状態

・寒熱

・虚実

・気血津液

・臓腑・経絡

などを総合的に確認します。鍼灸・マッサージでは、首肩などの過剰な筋緊張を和らげたり、全身状態に応じて刺激量や施術部位を調整したりすることで、めまいに伴う不快感や身体の緊張の軽減を目指します。


「自律神経」「更年期」「高血圧」と決めつけないことが大切です

めまいがあると「自律神経でしょう」「更年期だからでしょう」「血圧が高いからでしょう」と説明されることがあります。しかし、これらはめまいに関係する可能性はあっても、それだけで原因を確定することはできません。めまいには、

・内耳の病気

・片頭痛

・心臓・循環器の問題

・貧血

・薬剤の影響

・脳血管障害

など様々な原因があります。症状の特徴をよく確認し、必要な場合には適切な診療科につなげることが重要です。


このようなめまいは、まず医療機関へ

特に、

・突然、今までにない強いめまいが起こった

・ろれつが回らない

・顔や手足がしびれる

・手足に力が入らない

・物が二重に見える

・まっすぐ歩けない

・激しい頭痛を伴う

・意識がぼんやりする、失神する

・胸痛や強い動悸がある

・急に聞こえにくくなった

場合には、鍼灸・マッサージよりも医療機関の評価を優先してください。


まとめ

めまいは、耳だけの問題とは限りません。現代医学的には

・内耳

・脳

・血圧、循環

・自律神経

・視覚

・首からの感覚情報

・ホルモン変化

・頭痛疾患

など、様々な要素が関係します。そのため、高血圧、頭痛、眼精疲労、更年期障害、自律神経症状などと一緒に現れることもあります。東洋医学では、さらに寒熱・虚実・気血津液・五臓六腑・経絡などを通して身体全体の状態を見ていきます。

同じ「めまい」でも、「頭痛と目の疲れが強い人」「耳鳴りとほてりを伴う人」「疲れると立ちくらみが強くなる人」では、身体の状態も施術の考え方も異なります。

青風堂では、めまいだけを見るのではなく、頭痛、眼精疲労、首肩こり、睡眠、胃腸、血圧、更年期に伴う変化なども含めて状態を確認し、現代医学と東洋医学の両方の視点を参考に施術方針を考えていきます。

また、医療機関での検査を優先すべき症状が疑われる場合には、鍼灸・マッサージを行う前に適切な受診をお勧めします。




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