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肩こりを現代医学と東洋医学から考える ―鍼灸マッサージではどうみる?-

seifudo4159
10月4日
読了時間: 8分

「肩が重い」「首から肩が張っている」「揉んでもすぐ元に戻る」

肩こりはとても身近な症状ですが、その原因は単に「肩の筋肉が硬くなっているから」とは限りません。長時間のデスクワークやスマートフォン、運動不足、精神的な緊張、睡眠不足などが関係することもあれば、首の関節や神経、肩関節などの問題が隠れている場合もあります。

また、肩こりは頸椎疾患をはじめ耳鼻科、眼科、歯科疾患、さらには内科疾患からいわゆる不定愁訴(更年期障害、自律神経失調症)にいたるまで、さまざまな病気の主訴として訴えられることがあります。

青風堂では、肩だけを見るのではなく、現代医学的な体の構造・機能と、東洋医学的な身体全体の状態の両方を参考にしながら肩こりを考えます。


肩こりはどのような状態?

肩こりでは、

・首すじが張る

・首の付け根が重い

・首が硬く感じる

・肩甲骨の周囲が痛む

・頭が重い

・頭痛を伴う

など様々な症状が見られます。

肩こりには、僧帽筋、肩甲挙筋、板状筋、後頭下筋群など、首や肩甲骨周囲の様々な筋肉が関係します。


現代医学では肩こりをどう考える?

①首や肩の筋肉が長時間緊張している

パソコンやスマートフォンを見る姿勢では、頭が前餌出やすくなります。頭が前方へずれると、首や肩の筋肉は頭を支えるために長時間働き続けることになります。その結果、

頭が前に出る→首・肩の筋肉が緊張する→張り・重さ・痛みを感じる

という状態が起こりやすくなります。

特に問題になりやすいのは、姿勢そのものよりも、同じ姿勢を長く続けることです。

②肩甲骨の動きが少なくなる

肩こりという名前ですが実際には肩甲骨の動きも大きく関係します。

デスクワークなどで腕を前に出した姿勢が続くと、

・腕の前の筋肉が縮みやすくなる

・肩が前に出る

・肩甲骨が外側へ開く

・背中側の筋肉に負担がかかる

といった変化が起こりやすくなります。そのため肩こりでは、首だけでなく、肩甲骨・胸郭・腕の動きまで確認することが大切です。

③肩こりは「血行不良」だけでは説明できない

肩こりは良く「血行が悪いから」と説明されます。確かに筋肉の緊張状態が続けば、局所の循環に影響することはあります。しかし実際には、

・筋肉や筋膜

・関節

・神経

・姿勢

・運動不足

・睡眠

・ストレス

など、多くの要因が複雑に関係しています。そのため、肩こりは「血行を良くすれば解決する」というほど単純ではありません。

④ストレスや睡眠も関係する

精神的に緊張すると、無意識に肩をすくめたり、歯を食いしばったり、呼吸が浅くなったりすることがあります。これが続くと首や肩の緊張も強くなります。また、

ストレス→筋緊張→肩こり・痛み→眠りにくい→疲労が抜けにくい→さらに緊張が強くなる

という悪循環が起こることもあります。慢性の肩こりでは、筋肉だけでなく、睡眠や生活習慣も含めて考えることが重要です。


肩こりがひどくなると、何につながる?

肩こりが強くなると、単に「肩が重い」というだけでなく、周囲の症状へつながることがあります。代表的なのが頭痛です。首や後頭部の筋肉の緊張が強くなると、頭を締め付けられるような頭痛や、後頭部からコメカミにかけての痛みを感じることがあります。また、

・首を動かしにくくなる

・肩甲骨の内側が痛む

・腕が重く感じる

・目の疲れを強く感じる

・頭が重く感じる

・吐き気を伴うことがある

などの不調につながる場合もあります。さらに、痛みや不快感が続くことで体を動かす量が減ると、

痛い→動かさなくなる→筋力や柔軟性が低下する→さらに動きにくくなる→肩こりを感じやすくなる

唐いう悪循環に入ることがあります。また、慢性的な痛みが続くと、痛みを処理する神経系が過敏になり、本来なら強く感じない刺激でも「つらい」「痛い」と感じやすくなることがあります。そのため慢性化した肩こりでは、単に硬い場所を強く揉むだけではなく、身体の動き、運動、睡眠、ストレスなども含めて整えていくことが大切です。


東洋医学では肩こりをどう考える?

東洋医学では、「肩こり」という症状だけを見るのではありません。同じ肩こりでも、

・冷えると悪化する

・温めると楽になる

・ストレスで張る

・疲れると重くなる

・湿気の多い日になるとだるくなる

・頭痛を伴う

など、人によって状態は異なります。

そこで、寒熱・虚実・気血水・臓腑・経絡などを組み合わせて、身体全体の状態をみます。

①気滞

ストレスや緊張などによって、東洋医学でいう「気」の巡りが滞った状態を気滞といいます。

・イライラしやすい

・ため息が多い

・胸や脇が張る

・首から肩が張りつめる

・症状が日によって変わる

といった特徴がみられることがあります。

②瘀血

東洋医学では、血の巡りが滞った状態を瘀血と表現します。

・痛む場所が比較的はっきりしている

・同じ場所に強い圧痛がある

・刺すような痛みがある

・長期間同じ場所がつらい

といった場合に考えることがあります。なお、瘀血は現代医学の「血行不良」と完全に同じ意味ではありません。

③寒

冷えると肩こりが悪化し、温めると楽になる方もいます。東洋医学では、寒さによって身体が縮こまり、気血の流れが滞ると考えます。このような場合には、お灸や温熱を組み合わせることもあります。

④湿・痰湿

「痛い」というより、思い、だるい、すっきりしないという肩こりもあります。東洋医学では、

・身体が重い

・むくみやすい

・雨の日に調子が悪い

・胃腸の調子が悪い

・舌に厚めの苔がある

等を参考に、湿や痰湿の状態を考えることがあります。

⑤気血不足

肩が硬いからといって、すべてが「実」の状態とは限りません。

・疲れると悪化する

・倦怠感が強い

・息切れしやすい

・食欲が落ちている

・睡眠不足が続いている

といった場合には、気や血が身体に十分に養えていない状態として考えることもあります。

このような場合は、強く揉めば良いとは限らず、その人の体力に合わせた刺激量が重要になります。


経絡から肩こりをみる

首から肩、肩甲骨周囲には、

・胆経

・小腸経

・三焦経

・膀胱経

・督脈

など複数の経絡が通っています。そのため鍼灸では、肩そのものだけでなく、手・腕・脚など離れた場所の経穴を使うことがあります。

「肩が悪いのに、なぜ手や足に鍼をするの?」とおもわれるかもしれませんが、東洋医学では経絡のつながりを利用して施術します。


鍼灸・マッサージではなにをするの?

青風堂では、どこが硬いのか、なぜそこに負担がかかっているのか、身体全体ではどのような状態なのかを確認します。

マッサージ 筋肉や軟部組織に刺激を加え、

・筋緊張を和らげる

・動きやすさを改善する

・心身の緊張を和らげる

ことを目的に行います。

鍼 緊張している筋肉や圧痛のある場所に加え、身体の状態に応じて経穴を選びます。肩だけではなく、首、背中、腕、手、脚などを使う場合もあります。

お灸 冷えや体質的な状態をみながら、お灸や温熱を組み合わせることもあります。


「こっている場所」と「原因」は同じとは限らない

肩がつらいからといって、原因が肩だけにあるとは限りません。例えば、

胸の筋肉が硬い→肩が前に出る→肩甲骨の位置が変わる→首や肩に負担がかかる

ということもあります。また、ストレス→無意識に肩へ力が入る→呼吸が浅くなる→首肩の緊張が続くという場合もあります。そのため青風堂では、

・首の動き

・肩関節の動き

・肩甲骨の動き

・筋肉の緊張

・圧痛

・姿勢

・日常生活

・睡眠

・運動習慣

などを確認します。さらに東洋医学には、舌や脈、寒熱、虚実、気血水、臓腑、経絡なども参考にします。


注意したい肩こり

肩こりのように感じていても、別の病気が隠れていることがあります。特に、

・手や腕のしびれが強い

・手に力が入りにくい

・歩きにくい

・突然強い頭痛が出た

・発熱を伴う

・胸痛や息苦しさがある

・安静にしていても強い痛みが続く

といった場合には、肩こりと自己判断せず、医療機関での診察が必要です。


肩こりは「その場でほぐして終わり」にしないことが大切

施術で一時的に肩が軽くなっても、日常生活で同じ負担が続けば、再び症状が出ることがあります。そのため、

・長時間同じ姿勢を続けない

・定期的に体を動かす

・肩甲骨を動かす

・適度な運動を続ける

・睡眠を確保する

・身体を冷やし過ぎない

・パソコンやスマートフォンの環境を見直す

といった日常生活の工夫も重要です。青風堂では、肩だけを一時的にほぐすのではなく、身体を動かしやすい状態へ整え、日常生活の改善と組み合わせながら症状を繰り返しにくい状態をを目指すことを大切にしています。


肩こりでお悩みの方へ

肩こりは身近な症状ですが、その原因や身体の状態は一人ひとり違います。

青風堂では、現代医学的な身体の構造・機能と、東洋医学の考え方の双方を参考にしながら、身体の状態に応じた鍼灸・あん摩マッサージ指圧の施術を行います。

肩こり、首の張り、肩甲骨周囲の重だるさなどでお悩みの方は、どうぞご相談ください。

※症状によっては、鍼灸マッサージより先に医療機関での検査・診察をお勧めする場合があります。



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